皇帝プーチンの屈辱
プーチンはもう詰んでいるという。我々は西側陣営から届く情報しか知らない。少しは盛ってるかも。・・真偽は分からない、しかし歴史のひとコマにはなるだろう。
2022年9月21日、プーチンは「部分的動員令」を出し、ルガンスク州、ドネツク州、ザポリージャ州、ヘルソン州併合の条約に署名した。動員令には多くの国民の反発を招いた。国際社会の批判をも無視して、なぜ4州併合に踏み切ったのか・・、その原因は追い詰められたプーチンの焦りと思われる。
象徴的なできごとがあった。9月15日から17日まで、上海協力機構の首脳会議が、ウズベキスタンで開催された。 プーチンは、「ロシアは孤立していない」とアピールしたかった。ところが思惑通りにいかず、予想以上の冷遇だった。協力機構8か国で経済規模が断トツの中国参りが続く中、プーチンは、なんとしても習近平との蜜月を演出したかった。ところが、習近平は冷たかった。なかなかプーチンに会おうとしない。 習近平は先に、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、トルクメニスタン、タジキスタン、モンゴルの首脳と会談し、なんとプーチンは「順番待ち」となったのだ。格下の国々の末尾に・・・、これは重要なシグナルと言える。
日本でも世界でも、「最重要人物と最初に会う」のは常識だ。つまり習近平は、プーチンに、「あなたの重要度は、中央アジアの小国以下なのだ」と、露骨に示した。ようやく実現した中露会談でもプーチンは冷遇された。プーチンはウクライナ戦争ついて、「中国のバランスの取れた立場を高く評価している」と感謝した。さらに、プーチンは、習近平に媚びるように、「我々は『ひとつの中国』の原則を堅持している。台湾海峡における米国や衛星国の挑発を非難する」と述べた。媚びへつらいの極みだ。しかし習近平は、上から目線でたった一言「評価する」と答えただけという。
プーチンといえば、有名な「遅刻常習者」だ。プーチンと27回会談した安倍総理は、毎回待たされた。プーチンは、ローマ法王と3回会談したが、3回とも遅刻している。2003年には、エリザベス女王との会見に遅刻している。なぜ、プーチンは遅刻するのか? ロシアでは、「立場が上の人、えらい人は、忙しいから遅刻する」国際社会では通用しないロジックだが、ロシアではそうなのだ。 ということは、プーチンは、安倍総理やローマ法王やエリザベス女王よりも「格上だ」と思っていたのか。
相手を待たせて優越を感じたいプーチンだが、インド、トルコ、アゼルバイジャン、キルギスの首脳らに、逆にプーチンは待たされた。中でも子分筋にあたる旧ソ連国のアゼルバイジャンのアリエフ大統領とキルギスのジャパロフ大統領がプーチンを軽んじ遅れたことは、衝撃であり屈辱的であっただろう。プーチンは自分を「旧ソ連の皇帝」と思っていただけに。プーチンは今、明らかに尊敬を失っている。彼が屈辱のあまり、狂気の選択に走らぬよう、国際社会は注視しなければならない。
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